【乙四】熱とその特性について
・熱量
熱い物質から冷たい物質に熱は伝わる。この熱の大きさを熱量という。
単位はJ(ジュール)を用いる。なお、カロリー(cal)という単位も用いられる。
1cal≒4.2J となる。
・比熱
物質の温まりやすさを示すものが比熱である。
物質1gの温度を1K(ケルビン)または1℃上昇させるのに必要な熱量を表す。
例:水(15℃) 4.186J/(g・K)
氷(-160℃) 1.0J/(g・K)
鉄(0℃) 0.437J/(g・K)
比熱は大きいほど温まりにくくて冷めにくく、小さいほど温まりやすく冷めやすい。
・熱容量
熱容量とは、物質全体の温度を1Kまたは1℃上昇させる為に必要な熱量である。
熱容量は、比熱×質量で算出できる。
熱容量を"C"、比熱を"c"、質量を"m"とすると、次の式ができる。
"C = mc"
・熱量の計算
比熱を用いると、物質が温度上昇する時に必要な熱量を計算できる。
"熱量 = 比熱 × 質量 × 上昇した温度"
変数で表すと次の通り。
"a"J = "b"J/g・k × "c"g × "d"℃
・熱膨張
物質は熱して温度が上がると一般に長さや体積が増え、冷やすと減る。
膨張の計算には、線膨張率と体膨張率の二種類ある。
①線膨張率
棒状の固体は1℃上昇するごとに、一定の割合で長さがふえる。
ある物体の0℃の時の長さをL0とし、T℃の時の長さをLとすると、
膨張後の長さは次式で求められる。
L = L0(1+D×T) D…線膨張率
②体膨張率
物質の温度が1℃高くなった時の物質の体積増加の割合を体膨張率という。
なお、体膨張率は固体が最も小さく、気体が最も大きい。
体膨張率が分かると、膨張後の全体積は次式で求められる。
V = V0(1+B×T) V…膨張後の全体積
V0…液体の元の体積
B…体膨張率
T…温度差